いよいよ、今年の大河ドラマ「真田丸」も大坂編に突入しました。
大坂といえば、「幸村」の最後の地。
誇りをかけて家康に挑み惜しくも破れてしまった、「土地」。
だからこそ、この大坂編はすごく興味深く観ています。
どこか不自然な秀吉
どこか少し不自然というか、新たな発見というか、あの秀吉が小日向さん演じる「秀吉」が、どことなく怖い!と感じたのです。
どうやら、「心の中に黒く渦巻くゾッとするような怖さを出してほしい」との要望があったみたいです。しかし、今までの秀吉イメージはとにかく、明るく人当たりがよく、すぐに人の気持ちを掴んでしまう「ひとたらし」だったんですが、一介の百姓から
這い上がり、あの「信長」を超えたという自負が秀吉の人生を狂わせてしまったのかもしれませんね。
本当の秀吉は家族思いで、いつもお母さんのことを気にかけている心の優しい人だったと思います。家が貧乏で、食べるのもやっとな生活だったけど、家族みんなと仲良く暮らして、このころが一番「幸せ」だったんだと思います。
それが、お金を稼ぐため、家族を楽にさせるため、武士になることを決め、転々とした後、信長に仕えるようになったわけです。
信長がトップで君臨しているときは持ち前の明るさと人を惹きつける人柄を基に信長の気に入られるように振る舞えたのでしょうけど、信長が光秀に討たれたあと、正直途方に暮れたのだと思います。
心の闇を隠せぬ秀吉
しかし、秀吉には、あの「官兵衛」がいました。天下人になるように説得され、ついに秀吉も、信長の後を継ぐのは自分しかいないのだと思ってしまったのですね。そこから、秀吉の悲劇が始まります。転落の人生ですね。天下人になることが悲劇ではなく、一介の百姓出であることにコンプレックスを持ち続け、それを打ち消すかのように、自分に反するものをことごとく容赦なく殺めていった過程に悲劇がありました。ついには、関白、太閤にまで上り詰めましたが、秀吉の心はひと時も休まらなかったことでしょう。
天下を掴んだともビクビクしながら毎日生きていたのでしょうね。やっと生まれた世継ぎの「秀頼」に堂々とした武士らしい教育ができていれば、その後の歴史はまた違ったものになっていたかもしれませんね。
とにかく、秀吉が死に際に、家康に対して「秀頼のことを頼む」と懇願したのが哀れでなりません。心安らかに死ぬことはできなかったのだと思います。死後は、少しは安らかにできているのでしょうか?
隠せぬ秀吉の闇を演じる「小日向秀吉」
そういう、心の闇を小日向さんがうまく演じていらっしゃるからこそ、信長とは違った本当の怖さが伝わって来るのだと思います。
これからの小日向秀吉、期待大です!