2016年夏の甲子園。栃木の「作新学院」が優勝しました!
1962年の春と夏に連続で甲子園優勝を飾ってから、54年の歳月が流れました。この間には、かの有名な「江川卓」さんもいらっしゃいました。
江川卓さんは、1973年(昭和48年)に夏の甲子園に出場され、2回戦で敗退してしまいましたが、150キロを超える直球を投げる怪物として恐れられていました。
その江川卓さんを超えた?怪物が作新学院から誕生したのです。
MAX152キロの直球が持ち味の「今井達也」投手です。彼は、BIG3と呼ばれていた「横浜・藤平投手」、「履正社・寺島投手」、「花咲徳栄・高橋昂投手」を凌ぎ、プロのスカウトから今井投手も含めてBIG4だと言わしめたほどの逸材です。
そんな、作新学院が甲子園で優勝するまでの軌跡を、初戦から決勝までの対戦結果と成績で振り返ってみたいと思います。
作新学院高校甲子園成績
6年連続12回目の夏の甲子園出場でした。
決勝では、南北海道代表の「北海」と対戦し、見事勝利をおさめ優勝しました。
対戦結果は、このようになりました。
- 2回戦 : 3- 0 尽誠学園 (香川)
- 3回戦 : 6- 2 花咲徳栄 (埼玉)
- 準々決勝: 3- 1 木更津総合(千葉)
- 準優勝 :10- 2 明徳義塾 (高知)
- 決勝 : 7- 1 北海 (南北海道)
では、振り返ってみましょう。
2回戦
2回戦が作新学院にとっては初戦でした。対戦したのは香川代表の「尽誠学園」。投打の要がまずはきっちりと勝ち取った試合となりました。
初回から、入江選手の適時打などで2点を挙げ、7回にも入江選手のソロ本塁打で試合を決定づけます。投げても、エース今井投手が無失点の完封でした。
その成績はこのようになっています。
■対戦スコア
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
作新学院 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
尽誠学園 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
■チーム戦績
打数 | 安打 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 |
36 | 9 | 3 | 1 | 0 | 1 | 8 | 6 | 0 | 1 | 12 | 0 |
本塁打:入江 大生(7回)
■メンバー打撃成績(メンバー名と出身中学含む)
■投手成績
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
今井 | 9回 | 34 | 5 | 13 | 2 | 0 | 0 |
3回戦
3回戦で対戦したのは、プロ注目のBIG3の一人、高橋昂投手を擁する埼玉代表の「花咲徳栄」です。この試合も非常に注目を集めましたね。この対戦で花咲徳栄を破ってからでしょうか、今井投手へのプロスカウトの注目度が一気に増していきました。
作新学院は、2回に入江選手の2点本塁打などで一挙5点をあげ、ほぼ試合を決定づけます。8回にも1点を追加し、6-2で花咲徳栄を打ち破りました。ただ、花咲徳栄のエース高橋昂投手は2番手での登板でした。今大会は、エースの休養を考えて、先発ではなく、継投で使い敗退する傾向がありました。この花咲徳栄、履正社の寺島投手の場合もそうでした。
それは、さておき、今井投手も10奪三振と花咲徳栄打線をねじ伏せ、見事準々決勝進出を決めました。
その成績はこのようになっています。
■対戦スコア
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
花咲徳栄 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
作新学院 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | X | 6 |
■チーム戦績
打数 | 安打 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 |
34 | 11 | 6 | 2 | 0 | 1 | 6 | 2 | 1 | 0 | 7 | 1 |
本塁打:入江 大生(2回)
■メンバー打撃成績(メンバー名と出身中学含む)
■投手戦績
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
今井 | 9回 | 36 | 6 | 10 | 4 | 2 | 2 |
準々決勝
準々決勝で対戦したのは、千葉代表の「木更津総合」でした。先手必勝で逃げ切りパターンが得意のチームの木更津総合。しかし、この試合は、見事、作新学院が先手必勝で逃げ切りに成功しました。
初回、またまた、入江選手がソロ本塁打を放ち、1点を先取。入江選手は3試合連続で本塁打を放ちました。見事でしたね。そして、3回には、山ノ井選手も2点本塁打を放ち、3-0と木更津総合を引き離します。木更津総合も7回に反撃を見せますが、続かず、あと一歩及ばずでした。
盛岡大付属が先制しましたが、4回に鳴門打線が爆発し、一挙5点を奪われます。しかし、盛岡大付属も猛攻を見せ、続く5回に4点を返し、5-5の同点としました。その後、鳴門打線が再び襲いかかり、7回、8回で6点も挙げられてしまいます。5-11と大きく引き離された形となってしまいましたが、最終回、9回裏に、塩谷選手の大会2号3点本塁打などで4点を返す反撃を見せましたが、あとわずかで力尽きてしまいました。初の8強入りはまた持ち越しとなってしまいました。
その戦績はこのようになっています。
■対戦スコア
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
作新学院 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
木更津総合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
■チーム戦績
打数 | 安打 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 |
31 | 6 | 3 | 0 | 0 | 2 | 7 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 |
本塁打:入江 大生(1回)、山ノ井 隆雅(3回)
■メンバー打撃成績(メンバー名と出身中学含む)
■投手戦績
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
今井 | 9回 | 35 | 6 | 9 | 4 | 1 | 1 |
準決勝
準決勝で対戦したのは、高知代表の「明徳義塾」でした。強豪相手でしたが、終わってみれば、大差での勝利となりました。
今大会初の継投策での展開となりました。そして、主砲の入江選手も投手として、投げ切りました。作新学院は、初回から飛ばします。本塁打こそ出ませんでしたが、藤野選手の4打点をはじめ6回までで10得点をあげ、明徳打線を打ち崩します。投げても、先発の今井投手が2失点でしたが、継投の宇賀神→入江投手が好投し無失点で明徳打線を寄せ付けませんでした。気づけば、10-2の大差で強豪明徳義塾を破り、54年ぶりの決勝進出を決めました。
その戦績はこのようになっています。
■対戦スコア
高校名 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
作新学院 | 2 | 0 | 3 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 10 |
明徳義塾 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
■チーム戦績
打数 | 安打 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 |
43 | 15 | 9 | 7 | 1 | 0 | 4 | 2 | 1 | 2 | 9 | 1 |
本塁打:なし
■メンバー打撃成績(メンバー名と出身中学含む)
■投手戦績
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
今井 | 5回 | 24 | 5 | 3 | 4 | 2 | 1 |
宇賀神 | 3回 | 13 | 5 | 3 | 0 | 0 | 0 |
入江 | 1回 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
決勝
決勝で対戦したのは、南北海道代表の「北海」でした。北海は、1963年のセンバツで準優勝したチームです。作新学院は1962年に春夏連覇をしているので、その翌年のセンバツの決勝に進んでいたのが北海だったんですね。因縁みたいなものを感じました。
今大会はじめて、先制をゆるしてしまいます。北海が2回まずは先制し、北海ペースに持ち込もうとしましたが、4回、作新学院の反撃が始まりました。一挙5点を挙げ、5回、7回にも1点ずつ挙げ、7-1で試合を決定づけます。
北海のエース大西投手が今大会はじめて降板し、受け継いだ2年生「多間」投手が好投しました。度胸ある投球で球速はあまりありませんが、ゆるい変化球のタイミングがとりずらく作新学院打線も苦戦しました。打っては、3打数3安打とまさに北海のこれからが楽しみな選手です。しかし、北海は時既に遅しで、打線も挽回できず、作新学院が逃げきりで54年ぶりの優勝を飾りました。
作新学院、北海の両校とも見事でした。
その戦績はこのようになっています。
■対戦スコア
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
作新学院 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 |
北海 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
■チーム戦績
打数 | 安打 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 |
36 | 11 | 5 | 3 | 0 | 0 | 7 | 5 | 1 | 3 | 8 | 1 |
本塁打:なし
■メンバー打撃成績(メンバー名と出身中学含む)
■投手戦績
投球回数 | 打者数 | 被安打 | 奪三振数 | 与四死球数 | 失点 | 自責点 | |
今井 | 9回 | 36 | 7 | 9 | 3 | 1 | 1 |
まとめ
作新学院は、初戦から先制し、打線がきっちり得点を挙げ、エース今井投手がきっちり抑えるという構図できていました。
しかし、決勝ではそうはいかず、作新学院がはじめて先制を許し、そしてエース今井投手が降板しました。でも、打線は爆発しました。きっちり、それぞれが役割を果たし、見事みんなでつかんだ栄光ですね。
そして、自身も作新学院OBとして2000年のセンバツに出場した「小針崇宏」監督の見事なまでの采配も光りました。弱冠33歳という若さで作新学院を54ぶりの夏の頂点に導きました。
これからもさらに作新学院は成長していくことでしょう。
これからの活躍も楽しみです。
作新学院ナインのみなさん、優勝おめでとうございます!
そして、感動をありがとうございました。
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