アザラシ型ロボット「パロ」をご存知でしょうか?この「パロ」はとてもすごいのです!
何がすごいかというと、このパロちゃんは、認知症による徘徊(はいかい)行動を抑えるなどの効果が報告されていて、ギネスにも「世界一の癒やしロボ」として認定されているのです。
全国的に介護施設や病院などに導入され、認知症の改善や精神的ケアに非常に効果があるのです。
このパロちゃんが、開発者である「柴田崇徳」さんとともに、10月31日(月)放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されます。
そこで、今回は、アザラシ型ロボット「パロ」のセラピー効果や、価格、そして導入している施設について調べてみました。
今回は、アザラシ型ロボット「パロ」ちゃんですよ。
目次
アザラシ型ロボット「パロ」のセラピー効果は?
「パロ」とは?
まずは、パロって何?って言う人もいると思うので、簡単にパロって何なのかをご紹介しましょう。
出典:http://www.daiwahouse.co.jp/robot/paro/products/about.html
正式には、メンタルコミットロボット「パロ」と言うのだそうです。
2002年に、「世界でもっともセラピー効果があるロボット」として、ギネスブックに認定されています。
姿は、タテゴトアザラシの赤ちゃんで、人間の呼びかけに反応し、抱きかかえると喜んだり、人間の五感を刺激する豊かな感情表現や動物らしい行動をするのが特徴です。これは、多くのセンサーや「人工知能」により実現しています。
この愛くるしい表情やしぐさが、人を和ませ、心を癒してくれるのです。
パロは、動物の癒し効果を主な治療方法とした、アニマル・セラピーと同様のセラピー効果があり、また、ロボットであるため、アメリカではFDA(食品医薬品局)より医療機器として承認されています。このことで、多くの医療施設や介護福祉施設などに採用され、自閉症の子どもたちや認知症の高齢者などのセラピーに効果を上げ、高い評価を得ているのだそうです。
そして、日本でもパロのセラピー効果が注目され、今や、介護福祉分野をはじめ医療関係においても導入が進んでいるのです。
パロは、躁うつ病、認知症、精神疾患の方、自閉症やダウン症などの子どもなどに効果があるそうです。
アニマル・セラピーは、癒し効果が高いとされています。しかし、実情は、アレルギーや飼育の手間などを理由にペットを飼えないとか、そもそも苦手だという人にとって、アニマル・セラピーは、敷居が高い治療方法でもあるのです。
それを見事に解決したのが、癒しロボットの「パロ」だったのです。ロボット・セラピーとよばれ、アニマル・セラピーに代わる治療法として、今とても注目されているのです。
日本に限らず、スウェーデン、イタリア、フランス、アメリカなどの医療・福祉施設でも研究が行われ、各地で良好な結果が公表されているのです。
パロがアザラシである理由とは?
パロはタテゴトアザラシの赤ちゃんをモデルにしているそうです。
普通、家庭のペットとしては、犬や猫、またはハムスターなどが一般的ですが、それらの動物をモデルにすると、身近でよく知っているため、動作や外観に多少の違いがあった場合、あれ?おかしいな?と違和感を抱いてしまうそうです。その違和感を抱えたまま、癒し効果を感じるのは難しいことだと言われます。
ですから、身近で一般的ではない、「アザラシ」を採用するに至ったそうです。なかなか研究されていますよね。
パロの開発者「柴田崇徳」さんってどんな人?
パロの生みの親である、開発者の柴田崇徳(しばた たかのり)さん。
出典:http://www.daiwahouse.co.jp/robot/paro/products/developer.html
柴田崇徳さんは、独立行政法人「産業技術総合研究所」知能システム研究部門の主任研究員なのです。
名古屋大学工学部電子機械工学科を卒業され、名古屋大学大学院博士課程電子機械工学専攻を修了しています。いわゆる、「工学博士」なんですね。
経歴としては、「マサチューセッツ工科大学人工知能研究所研究員」、「チューリッヒ大学人工知能研究所客員研究員」などを経て、1998年から、当時の通産省 工業技術院機械技術研究所ロボット工学部主任研究官に就任し、そして、2001年から現職となっています。
人工知能を専門に研究して来られた方なんですね。
2002年のギネス認定をはじめ、グッドデザイン賞やロボット大賞・優秀賞など数々の賞に輝いているのです。
パロの開発をはじめて17年、現在のパロは初代から数えて8世代目になるそうです。開発当初からペットの代替とセラピー効果という二つの視点で改善、改良を進めて来られたそうです。
これまでに、国内外の病院や介護福祉施設などで実証実験を繰り返して来られ、より動物に近い自然な振る舞い、より安全で安定があって信頼性の高いパロに進化させて来られたそうですよ。
昔流行った、ごまちゃんをイメージしてしまいますね。
パロのセラピー効果は?
パロの効果は、国内外で証明されていますが、実際どういう効果があるのでしょうか?
うつ病患者が半減したり、脳波測定で、認知症患者の脳の活動が活発化したり、問題行動が少なくなったり、言葉も発しなかった高齢者がパロに呼びかけるようになったことで、少しずつ言葉を発するようになったり、小児病棟のこどもたちが治療に消極的だったのが、パロと触れ合っているうちに、治療に積極的になったりと、様々な効果が報告されています。
その効果により、介護施設や病院などで、パロを導入する施設が増えているそうです。
パロの価格や導入施設は?
パロの価格
パロは、ペット用としてもセラピー用としても利用できるんですね。
価格は、保証期間によって変わりますが、2通りあるようです。また、法人向けのリースもあるそうです。
- 保証期間1年:360,000円(税別)
- 保証期間3年:420,000円(税別)
保証期間3年の場合ですと、動作確認や内部検査、毛皮のクリーニング、バッテリー交換などのサービスが付くそうです。
価格だけをみると意外と高いという印象はありますが、ペットで犬や猫を飼う場合、だいたい20万円くらいはするので、ペットを飼うということを考えれば、手頃な価格ではないでしょうか?まして、認知症や精神的な疾患などに効果があるので、非常にお手ごろですね。
パロの導入施設は?
パロは、国内外で導入されていますが、ここでは、日本国内で導入している施設について各都道府県の施設をいくつかご紹介します。
■北海道エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:2件
- 北海道札幌市:ラークヒルズ札幌
- 北海道札幌市:札幌秀友会病院
■東北エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:17件
- 青森県三戸町:介護老人保健施設 ほほえみ三戸
- 岩手県陸前高田市:特別養護老人ホーム高寿園
- 秋田県秋田市:公益財団法人 秋田県長寿社会振興財団
- 宮城県仙台市:ケアハウス松涛館
- 山形県山形市:特別養護老人ホームながまち荘
- 福島県南相馬市:特別養護老人ホーム 万葉園
他
■関東エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:24件
- 茨城県水戸市:あおぞらニュータウン日立館
- 千葉県千葉市:平山病院
- 埼玉県さいたま市:ベストライフ東大宮
- 東京都世田谷区:国立成育医療研究センター
- 神奈川県横浜市: 介護老人保健施設 リハビリポート横浜
他
■北陸・信越エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:0件
■中部エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:1件
- 静岡県熱海市:指定介護老人福祉施設 海光園
■近畿エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:10件
- 滋賀県大津市: 琵琶湖中央病院
- 京都府京都市:学校法人関西福祉学園
- 大阪府堺市:阪和第二泉北病院
- 兵庫県神戸市:特別養護老人ホーム 六甲の館
- 和歌山県和歌山市:シルバーネスト塩屋
他
■中国エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:1件
- 山口県下関市:昭和病院
■四国エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:1件
- 香川県高松市:西春日小児科医院
■九州エリア
2016年1月時点で公表されている施設数:2件
- 大分県由布市: 湯布院病院
- 沖縄県北中城村:北中城若松病院
詳細な導入施設については、こちらからどうぞ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、癒しのロボット「パロ」について調べてみました。
今後ますます、導入される施設が増えていくことでしょう。そして、一人でも多くの患者さんを救ってほしいなと思います。
これからのパロの活躍に期待します。
それでは、今回もありがとうございました。
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