みなさんは、作業を行う上で、優先順位を考えながら行っていますでしょうか?
多くの人は、優先順位を気にせず、やりやすいものから始めてしまいがちです。
どうでもいいような後回しに出来る作業を最初に行い、肝心のやるべきことがまだ出来ていないということにならないよう、優先順位について学んでください。
その優先順位を決めるとても大切な考え方、それが、「緊急度」と「重要度」です。
目次
緊急度と重要度とは何か?
優先順位とは、読んで字のごとく、優先させる事柄の順番を表します。
仕事を行う上で、この「優先順位」を考えろ!と上司やリーダーなどに言われることもあると思います。
作業A、作業B、作業C、作業D
以上の4つの作業でひとつの仕事(タスク)が完了するような場合、優先順位がA⇒C⇒D⇒Bという順番であれば、その順番に作業を行うことになります。
では、この優先順位を決めているものは何なのでしょうか?
それが、「緊急度」と「重要度」になるのです。
よく、以下のような図を見たことがあるかもしれません。
緊急度と重要度のマトリクスです。縦軸に重要度、横軸に緊急度を示したものです。
この図は、緊急度・重要度の高低を組み合わせ、4つのエリアがあります。
それぞれ、以下になります。
- アクシデント発生エリア:緊急度(高)・重要度(高)
- 割り込み発生エリア :緊急度(高)・重要度(低)
- 行うべき作業エリア :緊急度(低)・重要度(高)
- ゴミエリア :緊急度(低)・重要度(低)
この各エリアの上から下に行くに従い、優先順位が下がります。
つまり、緊急度(高)、重要度(高)の作業が一番優先順位が高い作業となります。逆に、一番優先順位が低い作業は、緊急度(低)、重要度(低)になります。
しかし、本来は、「行うべき作業」を優先するのです。緊急度は低いが、重要度は高い作業こそ、優先して行うべき作業と言えます。
各エリアの名称は、私が独自に命名したものですが、役割にあった名称と思っていますが、いかがでしょうか?
緊急度と重要度の役割
先の図で、緊急度と重要度の高低の組み合わせは4つのエリアで構成されているのが分かったと思います。
では、緊急度と重要度には、どのような役割があるのでしょうか?
緊急度は、急を要する度合いです。ですので、緊急度高いということは、今すぐにでも何かをしなければならない状況におかれていることになります。
逆に、緊急度が低い場合は、今焦らずともよい状況だと言えます。
それでは、重要度はどうでしょうか?
重要度は、作業をする人にとっての必要性と言えます。
それがその人のためになるのかならないのか?あるいは、その人がやるべきなのかそうではないのか?を図る指針にもなるものです。
ですから、重要度が高いということは、その人にとって必要性が高いということです。その人でなければならないというような状況です。逆に、低い場合は、その人以外でも構わないという状況とも言えます。
このように、いつやるのか?誰がやるのか?を決める役割を持っているものが、「緊急度」と「重要度」になるのです。
4つのエリアの役割
それでは、4つのエリアの役割について説明していきます。
アクシデント発生エリア
緊急度「高」、重要度「高」のエリアです。
ここのエリアは、今すぐ、あなたが、行わなければいけない作業になります。
ですから、ここのエリアが優先順位が一番高いのです。何をおいても、この作業を行わなければなりません。後回しに出来ない状況です。
こういう状況は、大概、アクシデントにあった場合です。テスト中や現行システムにおいて、障害(バグ)が発生したとか、ユーザーからのクレームとか、超緊急対応すべき事項です。
このエリアの特徴としては、なにも生産しないということです。
生産のないエリアだと覚えてください。一生懸命、誠心誠意働いても、報われない、ただただ疲れるだけの作業なのです。
割り込み発生エリア
緊急度「高」、重要度「低」のエリアです。
ここのエリアは、今すぐ、あなた、または他の誰かが、行わなければいけない作業になります。
しかし、大概、あなたが行うことになります。
ですから、割り込みエリアなのです。
あなたにとっては必要のないことであっても、助けてくれと言わんばかりに、あなたに助けを求めているような状況です。
例えば、あるプログラマーがコーディング中に、なかなかエラーがとれなくて困っているので、あなたにどうすればいいか聞いてくるような場合や、急な打ち合わせが入るなどがこれに該当します。
後回しにしたいけれど、今やらなければいけないのかな?と疑問に思いつつ行うようなイメージです。
そして、ここのエリアも生産がないことが分かると思います。あなたはなにも得をしません。
行うべき作業エリア
緊急度「低」、重要度「高」のエリアです。
ここのエリアは、今すぐではないが、あなたが行わなければいけない作業になります。
ここでいう、今すぐではないが、という意味は、長期的に計画できるという意味になります。
緊急度の高い作業がなければ、ここのエリアの作業を行います。
そして、本来は、ここのエリアの作業こそ行うべきなのです。
じっくりと余裕をもってスケジュールを立て、作業に取り組むことで正確にこなすことができます。そして、スキル向上を図るという作業や勉強もここのエリアに入るのです。
ここのエリアだけが、唯一生産があるのです。
ここで行われた作業こそ、その人にとってはスキルとなり、会社にとっては戦力として、製品やサービスを生み出す力になるのです。
ここの作業だけを行うことが出来れば、とても高品質なものだけが生まれていくことでしょう。
しかし、現実はそんなうまくいきません。
ですから、極力、ここのエリアだけの仕事ができるようQCDを徹底する必要があるのです。ここのエリアの作業の出来不出来により、そのほかのエリアの作業に移行してしまうのです。先の図の⇒がそれに該当します。
QCDについては、システム開発の工程やQCDとはどういうものかを理解するでも書いていますので、よければご覧下さい。
例えば、テストでバグが出た場合、アクシデント発生エリアに移行します。
自分の伝え漏れによって、何回も仕様を聞きに来られ、その都度説明をしなければいけないというような状況になった場合、割り込みエリアに移行します。
そして、設計書に記載している線の色や太さ、セルの幅などが気になって、何回も修正しているような状況の場合、最も作業効率を下げる要因である、「ゴミエリア」に移行することになります。つまりどうでも良い作業エリアに移行するということです。
ゴミエリア
緊急度「低」、重要度「低」のエリアです。
ここのエリアは、今、あなたが行う必要のない作業になります。
要するに、どうでも良い作業となります。
しかし、ここのエリアの作業を行っている人が意外と多いことに驚きます。
プログラマーは、コーディングにおいて、コードの美しさを求めることが多いですが、この美しさを極めていく過程で、インデントやカッコのつける位置などにこだわる人がよくいます。
コーディング規約があれば、それに従うしかないのかもしれませんが、特に規定のない箇所だったりすると、こだわりが強くなる人がいます。こういう作業は、ほどほどにしてください。
その修正している時間を他のコーディングに使ってください。
あまりこだわりが過ぎると、すぐ、ここのエリアの作業になってしまいますので、注意が必要です。
緊急度と重要度により優先順位が決まる
緊急度と重要度の組み合わせにより、4つエリアがあることを理解いただけたと思います。
この4つのエリアが優先順位に結びつくことになります。
今すぐやらなければいけない、超緊急対応の作業は、余裕もなく焦りがちになり、ミスも多くなります。更なるミスで、より焦りを感じ、失敗することもよくあることです。
ですから、超緊急対応にならないように行うべき作業エリアできちんと品質をたかめ、効率よく作業を行うことを意識してください。
行うべき作業エリアでの作業が何かしらで失敗したことによって、他のエリアに転がってしまいますのでご注意を。
カテゴリ:作業効率