まったくの初心者がプログラミングに興味をもち、趣味の一つとして、なにか作ってみたいと思うことはとても素晴らしいことです。
あなたがもし、まったくの初心者でプログラミングをはじめたい、あるいは、将来プログラマーになりたくて、スクールにでも通ってみようかと考えているのなら、ちょっと考えて欲しいことがあります。
あなたは、プログラミングを学んで何をしたいのですか?ということです。
プログラミングスクールで教えてくれること
幼稚園児や小学生を対象に、スクラッチというプログラミング言語が流行っています。
言語と呼べるかは微妙ですが、パズルを組み合わるように、積み木を積み上げていくように、楽しみながらものつくりを学べるというものらしいです。
昔は、リアルに積み木やパズルで遊んでいましたが、今や、パソコンでそれらを疑似体験することができて、さらに、お片づけも必要ないため、部屋が汚れることもないです。
時代は、体全体を動かさなくてもいい遊びが主流になっています。最たるものがゲームでしょう。
それはさておき、巷では、プログラミングスクールが増えており、子供と一緒に親もプログラミングを学ぶ傾向が徐々に目立ち始めています。
親は、英才教育よろしく、小さいうちから教養として何かを身につけさせたいと思うものです。我が子はきっと何かに秀でた才能があるはずと思い込み、ピアノやバイオリン、英会話、水泳、お花などなど、昔から、3才くらいから親は熱心に子供を教育します。
その流れなのでしょうか、プログラミングもそうした習い事の一つとして考えられるようになってきたのでしょうか?
プログラミングを学ぶこととは何かについて、前の記事でも書きました。
論理的思考を身に付けることができるのではなく、そのきっかけ作りに過ぎないということを書きました。
では、いったい、プログラミングスクールは何を教えてくれるのでしょうか?
答えは、簡単です。なにも教えてくれません。
ふざけるなと言われるかもしれませんが、事実です。
少し話が飛びましたが、ただなんとなく、スクールに入ってもただお金を浪費して終わりということです。
つまり、目的がないといろいろな話に振り回されて、お金を無駄に使ってしまうということです。
スクールは、あなたに興味や必要性を持たせ、商品を買わせたいだけなのです。
商品が売れれば、スクールや会社は儲かるわけですから、単なるビジネスのひとつなのです。
スクールを卒業して、システム開発の最前線で活躍しているプログラマーはおそらくいないのではないでしょうか?少なくとも、私はそういう人に出会ったことがありません。
アメリカの前大統領のオバマ氏が「プログラミングはこれから誰もがもっていなければならない必須スキルだ」と宣言したことを受け、日本でもさまざまな人たちが、これはビジネスになると踏んだのでしょう。
時代にあった、もっともらしいうたい文句で、必要性を訴え、興味を引き、あなたをプログラミングの世界へ引き釣り込ませようとします。
時代は、インターネットがなくてはならない存在として、社会の土台を支えています。
毎日、日常的に使うスマホでニュースを見る、LINEで誰かと会話することなどにおいても、インターネットなくして実現できないのですから。
ですから、今後ますますIT化が進むにつれ、ITを使えるようにならないといけない。そのためにもプログラミングは必須なスキルなのだ、と。
もっともらしいと思いませんか?
しかし、あなたはプログラミングを学んだあと、どうするのでしょうか?
ここをよく考えてみてください。
将来プログラマーになるのであればスクールは必要ない
はっきり言いますが、あなたが趣味としてプログラミングを学ぶのであれば、ぜひ、スクールに通ってください。
しかし、プロのプログラマーとして、つまりプログラムを作ることでお金をいただくという将来を考えているのならば、スクールに通うのはやめたほうが良いです。
なにも身につきませんから。
作って、あー楽しい。面白い。だけで仕事ができるわけがありません。
よく、初心者のかたで、プログラミングを始めるには、どの言語から学べば良いですか?と質問されますが、あまりにも愚問です。
なぜ、プログラミングを学ぶのにどの言語から学べば良いかという発想になるのか分かりません。
人間の世界で考えてみればわかりやすいかもしれせん。
例えば、フランスで生まれた赤ちゃんが、私は、言葉がわからないのですが、何語から学べばよいですか?と聞くようなものなのです。
この赤ちゃんは、自然と誰からも教わることもなく、フランス語を話しているはずです。
覚えるのは、何語ということではなく、生きていくために必要な考えや動作、ルールなどを覚えていくのです。
そこに言語は介在しません。介在するのは、「思考」です。考え方です。
ですから、今流行っているのはRubyです、Pythonです、Javaです、PHPです・・・
などと、スクールではこぞって、人気のありそうな、Ruby講座やらPython講座などを開講して生徒を募集しています。
しかし、これらの言語を使う機会がありますか?現実問題として。スクールが儲けるための仕掛けだと思いませんか?あなたは得をしますか?よくよく考えてみてください。
プログラム言語を習得する趣味があるのであれば、ぜひさまざまな言語を学んでください。
しかし、そうではないのなら、言語を学ぶ以前に、根本的な目的を実現させるにはどうすればよいのかという思考を学んでください。そこには、プログラム言語が介在しないということが理解できると思います。
赤ちゃんがお腹がすいたら、どうすればお腹を満たすことができるかを考えているのです。
泣けばよいのか、暴れればよいのか、そのときどきで考えているのです。そこにフランス語という言語は必要ですか?
これこそが論理的思考です。
プログラミングを学んで論理的思考を身に付けるということではなく、論理的思考に沿ってプログラム言語を使い、コンピューターに命令をするというだけの話なのです。順番が逆なのです。
ですから、自分がスクールでプログラミングを学ぶ目的を論理的に考えてみてください。
これができないのであれば、プログラマーになるのを諦めたほうがよいです。趣味で楽しんでください。
カテゴリ:プログラミング