桁あふれ(オーバーフロー)とは何か?許容範囲の考え方を知る!

目安時間:約 6分

プログラマーを悩ませるもののひとつは、丸め誤差です。

 

そして、もうひとつ挙げるならば、「桁あふれ(オーバーフロー)」でしょう。

 

なぜ悩ませるのか?

 

なにかを計算する時には、本来は必ず、これらを意識する必要があるからです。

 

最近では、CPUの性能も上がっているため、一度に取り扱える数値も大きくなっています。よって、あまり、これらを意識することがない場面も多くなりました。

 

しかし、これらは、とても重要な考え方なのです。ここでそれを学んでください。

 

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桁あふれ(オーバーフロー)とは何か?

まず、丸め誤差については、丸め誤差とは何か?小数点以下の数値をどう扱うかを知る!で書いていますので、こちらを確認してみてください。

 

それでは、桁あふれとは何か?

それは、「扱える数値の許容範囲を超えた」ということなのです。

 

次に、その例を見ていきます。

 

 

桁あふれ(オーバーフロー)はどうのように起こるのか?

C言語の例として、2バイトの変数で考えてみましょう。

 

符号なし(unsigned short)と符号あり(short)変数に、それぞれ許容範囲の最大値とそれに1を加算した結果を確認する単純なプログラム(test1.c)を示します。

 

それでは、これを実行した結果ですが、以下のようになります。実行モジュールは、「test1」です。

 

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いかがでしょうか?

 

C言語では、標準出力(画面表示)を行う書式指定ができます。

符号なしの整数表示が「%u」、符号ありの整数表示が「%d」です。

 

(1)および(3)は、許容範囲の最大値の表示ですので、正しく表示されています。

 

しかし、(2)と(4)は、どこかおかしいです。

 

これが、桁あふれ、オーバーフローというものなのです。

 

 

まず、(2)ですが、65536を2進数で表記すると、

1 0000 0000 0000 0000(B)となり、17bitで表記されます。

 

1111 1111 1111 1111

+

1

で、1 0000 0000 0000 0000となり、

桁があふれているのです。

そして、変数は、2バイトですので、1bit目は無視され、残りの16bitの「0」が表示されているのです。

 

次に、(4)ですが、32768を2進数で表記すると、

1000 0000 0000 0000(B)となり、符号ビットである1ビット目にマイナスを表す「1」が立っています。

 

つまり、2bit目~16bit目までの15bitまでが許容範囲であるにもかかわらず、1bit目も必要となり、16bitで表記する必要があるわけです。

 

ですので、この場合も、桁が符号ビットにまで溢れているということになり、桁あふれになっていわけです。

 

単純に考えると、許容範囲の最大値+1は、許容範囲の最小値に戻るということになります。以下の許容範囲の数値を見ると、それを理解できると思います。

 

2バイトで許容される数値は、以下となります。

  • 符号なしの場合:0~65535(65536通りの数値)
  • 符号ありの場合:-32768~32767(65536通りの数値)

 

 

 

 

符号なしの場合

許容範囲の最大値(65535)に1を加えた「65536」を代入すると桁あふれが発生します。

65536を2進数で表すと、

1 0000 0000 0000 0000(B) で、17bit必要となり、16bitを超えるからです。

 

符号ありの場合

許容範囲の最大値(32767)に1を加えた「32768」を代入すると桁あふれが発生します。

32768を2進数で表すと、

1 000 0000 0000 0000(B) で、16bit必要となり、15bitを超えるからです。

 

 

桁あふれ、オーバーフローが発生すると、計算結果や条件文などに影響を及ぼします。特に、許容範囲を超えるか否かを設計の段階で確認し、超えるようであれば、さらに変数の型を拡張する必要があります。

 

整数型では、4バイト変数である「long型」、実数では、8バイト変数である「double型」を推奨します。

 

フラグなどで大きな値を扱わないようなケースでは、上記例のように2バイト変数を使用しても問題はありません。いずれにしても、変数の型をよく検討することが重要です。

 

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カテゴリ:プログラミング 

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